代表のあいさつ
インターファームを創業したのは、2006年3月です。非正規雇用の増加、格差社会の進行などが盛んに取りざたされ、当時は、今よりずっと、世の中に疲れた大人が多くいました。私自身もライブドアマーケティング(※2006年に有価証券報告書の虚偽記載事件を起こし、後に精算)にいて、それまで築いてきたものが一瞬でくずれる様子を目の当たりにしました。「人生って何だろう」と、やるせない気持ちにもなりました。そんなときに、いえ、そんなときだったからこそ、私は、働くことを楽しめれば、もっと世の中が良くなるのではないかと思ったのです。
芸術家は、自分の描きたい絵を描きます。好きな気持ちに真っ直ぐに、情熱をもって描くから、人の心を打つ絵になるのだと思います。会社員も同じではないでしょうか。好きな仕事をしたり、好きな人のために働いたりできれば、「仕事に疲れた」「仕事が不満だ」といったマイナスな思いや、不満から生まれる様々なクレームが、世の中からなくなるのではないか。そう思ったのです。以前から抱いていた起業への思いと、この「働くことを楽しめる会社・社会を作りたい」という切実な思いが一つになって、私は、インターファームを起業しました。それから12年。一緒に働く仲間や事業の内容は少しずつ変わってきましたが、働くことを楽しもうとする社風は、ずっと変わっていません。
仕事に情熱と崇高な目的を見出し、一緒に働く仲間が大好き―。もし、このような状態なら、きっと働くことを楽しめているでしょう。世の中全体で見ると、ごく一部の人かもしれませんが、私は本気で、みんながそうなれたらいいと思っています。そんな社会を作りたいです。それはあまりに大きな野望で、エベレストよりも険しい山です。仲間の協力なくしては、一歩進むことすら困難でしょう。だからこそ、インターファームは、この大きな野望に、一緒に挑戦する仲間を探しています。
新しい繋がりの創出には喜びや感動が生まれる。新しいつながりが人を幸せにする事業をつくっていける会社。
インターファームが手がける事業は、大きな枠組みとしては、つながりの創出により人々が幸せになる事業です。活用するのはインターネットの力。こう言い切るきっかけとなったのは、私の原体験があります。果物が好きなS氏とよく旅行に行くと、地元のスーパーで籠一杯に果物を買い占めていく、とても果物好きなS氏。マンゴー棚で立ち止まり、いつものように籠一杯に買い占めるかと思うと、素通りしていく。1個3,000円程で販売されている価格に私は驚きました。沖縄の実家に電話して地元でのマンゴーの価格を調べると400円。物流コストに疑問を感じ、母親に箱一杯にマンゴーを送ってくれと言いました。何でそんなに食べるのと聞かれましたが、S氏の話はせず。
果物好きなS氏に箱一杯のマンゴーをプレゼンするととても嬉しい顔を見て、ネットで販売してみようかなぁと軽い気持ちから農家直送のマンゴー通販を始めました。たくさんの注文を頂きました。オフラインでは実現できなかった新しい繋がりを創出できたことに、とてつもない感動と達成感を覚えました。初めてこんなおいしいものを食べたと感謝のメールは今でも忘れません。他人の喜びに自分自身が幸せになることができることを発見した。お金を得るよりも遥かに価値のあることでした。誇りを持てる仕事とはこういうことなんだ。
インターファームグループの代表的な事業である、結婚式準備サイト『marry』は、「世の中の花嫁の9割が結婚式に不満を持つ」と耳にしたことから始まりました。「新しい繋がりの創出で不満が幸せにかわるといいね。」という私のつぶやきに、手を挙げたのが、現在の『marry』編集長の女性です。
大半の人にとって結婚式は一生に一度。経験がなく、十分な情報も得られず、後悔を残す典型的な分野です。比較サイトなど何らかの情報の力で解決できそうだと、私は考えました。ところが彼女は、日本で一番かわいくて、リアルな結婚情報を発信することを考えました。私の考えとは違っていましたが、本人が懸命に取り組んでいたのと、サイトを訪れた人の喜びを彼女が自慢するように私にいってきました。まさに、人の喜びが彼女の幸せになっていました。きっと良いサービスをつくれると確信しました。任せた結果、今や『marry』は、プレ花嫁の圧倒的な支持を得るWebメディアに成長しました。
『marry』には、思い切って人材も資金も投資しました。指揮官の考え方や姿勢が良ければ、お金は後からついてきます。人を育てるための事業投資、その人が次に続く人を育て、また新しい事業が生まれる―。私が目指しているのは、目の前の収支計算よりも、そのような大きな好循環。『marry』はまさに、この理想を実現しました。このやり方で、これからも新たな事業を生み、育てていきたいと思っています。
インターファームは、一人一人のなりたい姿に合わせる会社
インターファームは、事業に人を当てはめるのではなく、一人一人のなりたい姿に、会社の方が合わせていきます。例えて言うなら、行き先が決まっているバスにみんなで乗り込むのではなく、バスに乗る人を決めて、乗った人同士で「どこに行こう」と話し合い、進んでいくようなスタイル。実際、そのようにやってきて、きちんと、みんなが行きたかった目的地にたどり着いています。働くことを楽しめるメンバーも増え、会社はどんどんいい方向に向かっていると思います。
今いる仲間と、これから入る仲間に、インターファームが提供できるのは、新しいサービスが生まれ、黒字化し、それが育っていく過程です。それを、一通り経験できることはすごくおもしろいし、その経験を積むことで、一人で事業を回せる社会人になれると思います。私たちは年に二つ、新しいサービスを生み出すことを目標に、日々、みんなでどんな事業をやろうかと話し合っています。もちろん、失敗することもあります。でも失敗を通じて人が育ち、次につながります。そのような感じで、険しい山を前に回り道もしながら、みんなで力を合わせて少しずつ上っているのが、インターファームという会社です。